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UTTACHI

イラストレーターがコロナに耐えるためやった事

新型コロナウイルスの発生によって、現在もなお世界中に想像を絶する影響を与え続け、人々の生活ががらりと変わり、当たり前だった事ができない世の中になっていますね。

飲食業、サービス業、旅行、イベント、学業などなど人の生活全てが「自粛」という状態を強いられ、とにかく何もできない。

自分の生業である「デザイン・イラスト」の分野もすぐに影響が出て、今年の3月頃には、進行中の仕事の中止、予定していた仕事の取り消しがいくつかありました。

家族を養うため、人々が生きるため、この苦境を必死に乗り切る動きが起こり始める頃、自分も危機感を抱いてやったことをまとめます。

ストックイラスト

以前の記事でお知らせしてましたが、2019年8月に「イラストAC」でストックイラストをスタートしましたが、この時はトライアル的なスタートで、しばらく放置してしまいました。2020年3月から有料ストックイラストである3つのサイトへ本格的に登録を開始しました。

ストックイラストは登録したイラストがホイホイ売れるわけでもなく、様々なパターンや想定される使用シーンにマッチする素材を作る必要があり、とても根気が必要な制作でした。

サイト主宰のオンラインセミナーにも参加し、制作のコツを身に付け続けていますが、現在までの制作点数は、無料ストック:55点、有料ストック:44点の計99点(なぜ100点までやらなかったのか…汗)

3月から7月現在までで、8781円…
4ヶ月でこれ。現実です。
この時期のコロナ禍の影響でストックイラスト事態の動きも低迷していたと聞いています。

しかしコレがストックイラスト。これからも無理なく根気よく続けて、少しづつ使えるイラストを増やし、いつか自分の知らない街中やサイト上で自分のイラストと思わぬ出会いがあることを夢みています。きっとその頃には、過去の自分からのお小遣いに感謝すると思います。

ボランティア制作

依頼仕事がゼロの中、とにかく自主制作とストックイラストに汗を流す中、知人から声がかかりました。

地元のコロナ感染者の実態を伝える情報サイトが立ち上がりました。これは地元のインターネットに強い有志がボランティアで発信する情報サイト(新型コロナウイルス感染症対策サイト)で、東京を皮切りに各地方で動き始めていた取組みでした。

制作側は、このサイトをまず覚えてもらえるよう、各SNSを通じた周知のため、インパクトのあるイラストを描ける人材を探しているとの事で、知人に声をかけて頂きました。

もちろんボランティアでしたが、コロナ禍の中、イラストレーターにもできる事があるんだと、筆を取らせて頂きました。

UTTACHI

タイトル「ウッタチ」
(この一枚のイラストが後に自分を助けてくれることになるのです…)

同業との情報共有

これは緊急事態宣言が解除され、三密が緩和されつつある時。地元のイラストレーターと会ってお互いの状況を交換しました。
みんな苦労しているようですが、さすが先輩イラストレーターはしっかりレギュラーワークを保持していて自分ほどの状況ではなかったようでした。

この頃は6月の中旬頃で、国からの「特別定額給付金」を受け取ったばかりでしたが、さらに「持続化給付金」の話を詳しく聞く事ができました。そして、国からの補助も無事に受ける事ができ、さらにいくつか仕事を回してもらえました。

同業との縁もとても大切と感じました。ここでは作品を公開できませんが、

  • 介護福祉系のパンフレット内のイラストと挿絵
  • ラインスタンプの制作
  • 自治体の啓発活動コンペ向けのイラスト、漫画制作

などです。
この仕事ひとつは、事前にボランティアで描いていた「ウッタチ」の絵を見て気に入ってくれたそうです。

自治体助成申請

先輩イラストレーターに教えてもらい、「持続化給付金」に申請。
昨年度の確定申告を基に、大きく売り上げを落とした月を昨年と比較した差額を平均して、年間(12ヶ月)に照らして100万円まで助成するというもの。

確定申告の受領印を返送してもらっててよかった。
確定申告と今年の売り上げ表を提出し、無事申請が通りました。

ネットクラウド系ワーク

自主制作やストックイラストでは足下の売り上げは生み出せません。
直近の生活費を生み出すため、クラウド系のワークサイトに登録しました。自分が取り組んだ媒体は以下の二つ。

ランサーズ

ランサーズは必要とされる仕事に提案をし、選んでいただいた上で成り立ちます。いくつかのイラストや漫画の仕事に提案し、仕事を獲得できました。

  • Youtube漫画制作
  • 絵本制作

絵本制作は、過去の絵本受賞実績を認めていただけた結果と思います。
Youtube漫画は、ここでも「ウッタチ」作品の力が発揮され選んでいただいた仕事です。

ココナラ

スキルを仕事にできるサイト。
自分の得意分野を出品し、サイト上で購入していただくもので、似顔絵の制作の依頼を受けました。現在も制作の問い合わせが来ています。

他のクリエイターの出品を見ると、とても真似できないクオリティ(特に漫画アニメ系)で安価で数をこなしてる方が多く、身が引ける思いですが、自分は今で培ったリアル系だと踏んで出品しました。

▼ココナラ(pinografico)
※アカウント終了しました

Youtube漫画

コロナ禍の最中にYoutubeでは様々なチャンネルがスタートしてその動きも目につくほどです。コロナとは関係ないですが、「Youtube漫画」というカテゴリーは活発で、広告、コンテンツにおいて、多くの閲覧者を獲得している分野だと言えます。さすが日本が誇る漫画文化です。

以前からこの動きはチェックしていました。
興味はあったのですが、とても実入りが厳しい。フルカラーの1コマの漫画で1000円とか当たり前です。Twitterなどでチェックすると、多くのイラストレーターも敬遠している状況でした。1枚に数時間もかかるのに、1000円て・・・。

ですが一度の案件で30コマほどの依頼があり、「1.5週間で30,000円」「月4本こなせば12万円」という謳い文句で、グロスで見ると取り組むイラストレーターも少なくないようです。

実際Youtubeを見ると、とてもクオリティにおいては低い漫画が多く、これでよく通ったなと思って見ていましたが、実態は「クオリティより本数」の状態だったことに気づくのも、時間はかかりませんでした。

とはいえ、自分も直近の売り上げを生み出さないといけない身。
経験は後の肥しとなると踏んで、よく案件を厳選して提案しました。

厳選というのは、費用面、発信カテゴリー、依頼者の実績などを見てきました。美容系やダイエットなどのCM、過去実績としてうたえないカテゴリーは避けたかったためです。

提案にウッタチを携えて望んだところ、見事選んでいただきました。
とはいえ、予想通り、タイトなスケジュールと制作量の多さに休みなく量産する日々を迎える事になりました。

自主制作

自主制作として、インスタグラム上 でコミックエッセイを続けていました。1年を経過し、いくつかPRの仕事を受け、タイミングよくコロナを乗り切る売り上げの一部となりました。

ですが現況、Youtube漫画を筆頭として、直近の売り上げのため、一時休止しています。
早く再開できる日がくる事を願うばかりです。

モチベーション維持

これが一番重要だった事、そしてこれからも大事な事だと思います。
生き抜くため、養うため、家族とのコミュニケーション、知人との情報共有、そして奉仕の気持ちは常に持ち続ける事だと思います。

ここまで描き連ねてきて思う事は、イラストレーターであっても自分独りでは何も生み出せないのです。当たり前の事ですが、この苦境の中とても実感できた事です。

ボランティア作品に生かされましたし、知人にも助けられました。
苦しいのは自分だけじゃないと言い聞かせ取り組む事は自分のモチベーションを保っています。

コロナに加え、地元でも豪雨被害を受けましたが、特に熊本県人吉市および球磨村の被害にあわれた方々へ心よりお見舞いを申し上げます。

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