身内価格について考える
高校生くらいから、画力が上達してくると親戚とか近親者からいわれるようになった事。
バイト代あげるから絵を描いて(デザインして)
これが当時の自分としてはとても嬉しくて、世に自分のデザインが出る事とバイト代がでる事で頑張ったものだ。
親戚たちからそのうち友達、知り合いと依頼が来るようになる。
身内価格でやってくる。今回はクリエイティブの価格について考える。
この記事ではイラストレーターやデザイナーをまとめた言い方としてクリエイターとしています。
頼んでくる側の意図は
体験の提供
作品が世にでる事、報酬を受け取るという事、評判を受ける事、この経験はそう簡単にできません。
報酬抜きにしても積むべき経験ですよね。
純粋に若いクリエイターを思ってチャンスをくれる方々の存在は貴重です。
安い価格
これは頼む側にとって重要ですね。
チラシ、ロゴ、イラスト、キャラ、こういうクリエイティブは直接的に企業の利益を産まないもの。
でも、企業イメージは常にあげて保たないといけません。
この経営的事情に気付く若いクリエイターは多くないとは思いますが、ここを汲み取って手助けする機会であれば価格には目を瞑って取り組むべきと思います。
頼まれる側の意図は
そして、頼まれる側(クリエイター)はどういう意図なのか。
若い頃は別として、本業のクリエイターとして働いている人物に「身内価格で(安くして)」と依頼があった場合。
依頼主との関係を大切にしたい
普段の付き合い、お世話になった方、これから関係を築きたい方なら「縁」を優先して取り組みます。
正直これだけです。
他にあるとすれば
- 急なお金が必要
- 断るのが怖い
- ボランティアによる自己ブランディング
という理由はあるかもしれませんが、身内価格での制作にはリスクを考えると避けたいところです。
身内価格のリスクとは
依頼側のリスク
安い価格がゆえに、模倣やミスのあるクリエイティブを産む可能性があります。
もちろんクリエイターのほどんどは、価格によって力の配分をコントロールすべきではないですし、そうする人は少ないとは思いますが、確実にモチベーションは下がります。
クリエイターのリスク
上で述べた「手を抜く」作品を産んでしまった例は少ないとは思います。世に発表する以上、評価される作品であるべきです。でも最大のリスクとしてはここで、結果、依頼主や周りの評判が高かった時、それが身内価格だったという事実を隠さないといけないし、「縁」が産んだ価格によって、クリエイターの今後の活動に影響がでてしまっては、リスクと言える事態になります。
まとめ
只より高いものはない
という言葉がありますが、クリエイターの世界においても身内価格は、双方に危険なものです。
ファンに対するピカソの行動
有名なピカソのエピソードです。
ピカソのファンが絵を依頼して、ピカソが30秒で描き上げた作品を100万ドルで提供した話。
- たった30秒の作品に100万ドルは高すぎると思う人
- 有名で大好きな画家の手による自分だけの100万ドルの作品
依頼側はどう受け取るでしょうか。
ただ、ピカソというネームバリュー無しではありえない話です。
このネームバリューを、クリエイターは少しづつ積んでいかないといけない。