デザイナー職と営業職の関係
前職では広告会社に勤めていました。
映像が専門のプロダクションと併設された広告を売る営業部隊に配属されたデザイナーとして日々働いてました。
なので、常に営業マンとのやりとりが行われて、連携して広告の提案販売をするわけなのですが、これがまた、嫌ぁーな感じの関係なのです。
しかし、このツーマンセル体制は広告会社にとって切れない関係であり、うまく仕事をまわしていけるのです。
今日はそのデザイナーと営業の関係について書いていこうと思います。
広告の売り方
広告って一言に言っても色々ありますよね。
主な広告媒体
- マスメディア(テレビ・ラジオ・新聞)
- インターネット(ホームページ)
- チラシ・ポスター・パンフレット
- 雑誌
- イベント などなど
営業の地道な努力
様々な媒体を企業・組織に適したもので提案・選択して世に知らせるわけですが、営業職は付き合いのあるお得意、新規企業に対して足繁く通い、先方の思いを効果的に伝えるため企業との窓口・相談役として奔走します。
この努力はデザイナーの自分には想像できないほどの地道な根気仕事なわけです。
提案の機会を得ても、契約までたどり着けない事も多々・・・
デザイナーから見た営業職
そんな中、自社で閉じこもって日々作業に追われるデザイナーに急にやってくるのが、営業の方々。
毎日やってくる営業や企業からの仕事。日々それを消化していく“外見には測れない忙しさ”があります。
なんせじっとパソコンに座り、電話、メールを通じて作業が増えていくのですから、ハタから見たら暇な時同様なのですから。
デザイナー自身は、脳みその中はいつも戦場で、時計やカレンダーと向き合って作業をしている中に「すみませーん」の一言から始まる営業のデザイン依頼はとてもイラっときます(笑
ナルハヤの納期
しかも、営業はやっと機会を得た契約のチャンスに、時間をかけずにすぐに持って行きたいものです。なので、納期はどうしても「ナルハヤ」になります。
ナルハヤ=「なるべく早く」
これはデザイナーにとってたまったもんじゃありません。「忙しいだろうけど今すぐやって欲しい」って事ですもん。ほとんどの作業がナルハヤ。
じゃあどれを優先しないといけないのか、デザイナー自身が判断するしかないのです。
営業職から見たデザイナー
嫌われ役に徹する
提案の機会、売り上げが目の前にある機会、これを得て急いで会社に戻り、デザイナーに依頼をかけます。
例えば
- 絵コンテ
- チラシの草案(複案)
- 新聞広告(ほぼ完成版)
- 企画書
- 行政コンペ など
デザイナーに依頼をするとき、きっと営業のみなさんは気力を削がれる思いなんだろうなと思います。
「忙しいだろうけど、なんとか早く提案に行きたい」
言われたデザイナーは大体(個人見解ですが)
まず嫌な顔をせずこう返します。
「納期は?」
(やっぱり言われた。)と営業。デザイナーを嫌う人もいるんじゃないでしょうか・・・。
窓口役をデザイナーが担う事
自分は企業との業務を営業から引き継ぎ、窓口を自分で担っていました。
きっとこんなデザイナーさんも多いと思います。
営業が取って来た仕事で成果をあげ、継続して関係を保っていくのに、デザイナーが直接打ち合わせに向かうのです。(この話はまた後日詳しく書こうと思います。)
でも、これは本来はやるべきではないと僕は思ってます。
デザイナーとして動けない
ホームページ、チラシ、TVCMなど、継続してプロジェクトの依頼があると、デザイナーが同行して打ち合わせに出向く事が多くなります。
そうなると、企業広報担当とデザイナーでステップを踏んで行きます。
これがデザインやクリエイティブだけの話なら問題ないかと思いますが、見積もり、契約書、などのマネジメント業務をデザイナーがやっていかないといけない場面に遭遇するのです。
前述にもある、営業からの新規作業をやってる暇もなくなりますし、自然と優先順位を下げないといけません。
メリットもありますが…
営業もデザイナーもそんなに人材が多くない組織であれば、近道のためにデザイナーもエクセル、ワードを叩かないといけません。
これをこなしていくとクライアントからも重宝がられるし、営業は別の開拓に注力できるメリットもありますが、そもそも営業が受けないといけない評価を、デザイナーが受けていては、完全に個人商店化してしまいます。
これは完全に広告会社からすると、破綻しかけています。
デザイナーがスポンサーを持って行きかねません。
まとめ
営業職の方はぜひ参考にしていただきたい事
企業に提案する業務への熱量(モチベーション)をデザイナーにしっかり伝えてください。
決して
- 「チャチャっとやっちゃって」
- 「簡単でいいからサクっと」
- 「企業ロゴは名刺をスキャンして(素材なし)」
という言葉は、デザイナーから120%嫌がられます。
デザイナーから出るクリエイティブは作品と同じなのです。手抜きはできません。
簡単に仕上げるかどうかはデザイナーの判断に任せてください。
デザイナーの仕事の受け方
「忙しい」と言わない。
できない理由を言うより、できる方法を営業と相談しましょう。
早く仕上げるために、営業にも素材集めなどを依頼したり、提案の方法そのものを変えてみたりするのも良いでしょう。
とにかく、チームとして「やってやろう」とモチベーションをあげて行きましょう。
そして、上司や苦手な担当からの仕事は、何よりも優先してまず取り掛かり、自分の手元から離しましょう。